【初心者向け】積み立てNISAを始める前に注意点
2024年から新NISAとして始まる予定の一方で2018年から開始された積み立てNISAですが、残すところあと1年になりました。
新NISAが始まれば、既存のNISAに投資はできなくなるわけですが滑り込み投資ということで今注目されています。この記事では来年の新NISAに向けて、現行の積み立てNISAを始めようという初心者の方に積み立てNISAの注意点を解説していきたいと思います。
その前にそもそも積み立てNISAとはどういうもの?というところから始めましょう!
そもそも積み立てNISAとは?
積み立てNISAとは少額からの積立投資を支援するための少額投資非課税制度のことを言います。イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルとした日本バージョンだそうです。
何と言っても最大のメリットは、投資信託の運用費用が非課税という点でしょう。通常の場合、投資で得た利益の20.315%の税金がかかりますが、積み立てNISAは(上限あり)非課税投資枠は年間40万円、非課税保有期間は運用開始から20年間。つまり最大800万が非課税運用ができるという制度なのです。(2023年末で終わるため実際は最大240万ですが)
つまり積み立てNISAで運用した100万が120万になった場合、通常なら120万×20.315%=243,780円が引かれて手元に残るのは956,220円なのですが、積み立てNISAの場合は非課税保有期間であれば、120万全額が手元に残ります。
元々、投資について意識の低い国民に向けて『税金免除するから将来のために投資始めたら?』という政府からのメッセージのようなものです。裏を返せば『老後、将来の暮らしは自分たちで考えてね。年金は当てにしないで』のようにも考えられます。どちらにせよ将来の備えは多いに越したことはないと、2022年9月末で約1144万のNISA口座が開設されています。約10人に1人の割合です。
積み立てNISAの内容
積み立てNISAは長期投資をメインに考えられたもので、少額、長期、分散投資を主に国が認めた基準に達した投資信託と上場株式投資信託(ETF)から選ぶので、投資初心者にとって利用しやすい仕組みとなっています。
利用できる方 | 日本にお住まいの20歳以上の方(口座を開設する年の1月1日現在) ただし、つみたてNISAと一般NISAはどちらか一方を選択して利用可能 |
非課税対象 | 一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益 |
口座開設可能数 | 1人1口座 |
非課税投資枠 | 新規投資額で毎年40万円が上限(非課税投資枠は20年間で最大800万円) |
非課税期間 | 最長20年間 |
投資可能期間 | 2018年~2042年 |
積み立てNISAのメリット、デメリット
メリット
- 運用利益が非課税
- 少ない金額から始められる
- 低コストなので初心者でも長期的で貯金感覚でもできる
- 積み立てなので買いのタイミングに迷わない
- 好きなタイミングで引き出せる
運用益が非課税は上記でも開設しましたが、これが一番のメリットでしょう。また少額で始められる、いつでも引き出せる点など気軽に始めやすいあたりもメリットと言えるでしょう。
デメリット
- 損益通算や繰越控除ができない
- 選べる商品が少ない
- 投資額に上限がある
損益通算とは片方が利益があり、もう片方が損失の場合は両方を合わせた運用益に対して税金がかかるという仕組みですが、NISA口座は1人1口座なので他の証券口座と組み合わせができません。
また繰越控除は損失を3年間繰り越せます。前年に損失があった場合、翌年に利益が出たときに前年の損失分と相殺して利益を少なく計上することができます。これを繰越控除といいます。
どちらもNISAには適応できません。
新NISA目前で積み立てを始めるのは?
2024年より始まる新NISAを目前に現行の積み立てNISAを始めるのはどうなの?という疑問を持つ方もいるでしょう。
ちなみに新NISAの説明はこちら関連記事:今のうちに理解しよう『新型NISA』の変更ポイント
このようにアップグレードされるNISAですが、今から始めても十分にメリットはあるでしょう。
たとえば、新NISAの投資上限枠は1800万ですが、これは新NISAのみの上限枠であり現行の積み立てNISAとは別枠になります。ですから、今から始めても40万多く非課税運用枠を活用できるというわけです。だから少しでも使わないと損したことになります。
そして今まで積み立てNISAで運用してきたものが、全て廃止になるわけではありません。運用したものに関しては2024年になっても非課税保有期間はそのまま20年間利用できます。仮に2023年に始めて満額40万を投資したとしたら、2042年まで20年間非課税保有期間を利用できます。仮に40万が年5%で運用できれば、20年後には106万になります。
このような2点を考えると新NISAを待つよりも、現行の積み立てNISAを少しでも早く始める方がいいでしょう。どうのような商品に投資するかはさておき、時代と共に制度も変わっていきます。もしかして今回の新NISAも恒久化と言いながら、何十年後には制度改正があるかもしれません。だからこそ、このようなチャンスを逃さず、生かしていきましょう。
(初心者用】最初に積み立てNISAで買うべきおすすめ銘柄3選)
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