【初心者向け】iDeCoの完全攻略
2024年から始まる新NISAにむけて、世間の投資意識が高くなっていますが今回はNISAではなくiDeCoについて解説していきます。
iDeCoはNISAに比べて、知名度低いイメージがありどうしてもNISAにいきがちなのですが、このiDeCo、人によってはNISA以上のメリットがある制度なのです。
意外と知られてないiDeCo、完全攻略していきます。
iDeCoとは
そもそもiDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金のことです。
自分で申し込み、自分で掛金を拠出し、自分で運用方法をする。その掛金と運用益を年金として受け取ることができるという自分で作る私的年金をイメージするとわかりやすいでしょう。
またiDeCoは職業によって掛金の上限はありますが、5,000円から掛けることができるので少ないリスクから始めることができます。
仕組みとしては、3階建ての年金制度といわれ、1階が国民年金、2階が会社員や公務員が加入する厚生年金、3階が企業年金、iDeCoはこの部分にあたります。
図にするとこのような感じになります。
3階 | 企業年金(確定拠出年金、iDeCo) |
2階 | 厚生年金(会社員、公務員など) |
1階 | 国民年金(全国民が対象) |
iDeCoのメリット
ではiDeCoのメリットは以下の通りです。
- 節税効果
- 運用益に対して非課税
- 受給時に所得控除を受けられる
節税効果
自営業やフリーランスの方にはなじみのある節税ですが、会社員の方ができる節税方法の数少ない1つです。
iDeCoで支払った掛金は全額所得控除の対象に入ります。これにより所得税や住民税を安くすることができます。
例えば年収650万円の会社員が、月23,000円の掛金を支払った場合、1年間で55,700円税金(所得税や住民税)が減ります。
逆を言えば手元に残るお金が多くなる=給料が増えるのと同等の役割を果たすことができるのです。
運用益に対して非課税
これはNISAと同じメリットで、iDeCoで支払った掛金を運用します。その運用で得た運用益については、通常は金融所得税といって運用益に対して約20%の課税が課されます。
例えば、60歳になった時点で積立てた1000万の掛金が3000万になった場合、運用益は2000万なりますが、その2000万に対して約20%の金融所得税が課せられますので実際は2000万ではなく1600万になるわけです。
この運用益に対して非課税なのは、NISAと同じメリットになります。国民を投資に対する意識を高めるに十分なイメージアップとなりました。
受給時に所得控除を受けられる
原則iDeCoは60歳になるまで引き出せないですが、60歳で積み立てたお金を受け取るときは控除制度を受けることができます。
一時金として退職所得控除として受け取る方法と、公的年金控除で年金として分割で受け取る方法とどちらも控除を利用することができます。
積み立て掛金も控除になると同様、受け取り時もある程度まで非課税になるというのは、かなりお得な制度といえるでしょう。
iDeCoのデメリット
原則60歳まで引き出せない
原則として60歳まで積み立てた掛金は引き出すことはできません。また途中で解約もできません。
一度始めたら、60歳までやりつづけることです。例外で死亡時や重度のケガによる障害時などはありますが、ほぼ解約不可と思ってください。
iDeCoはもともと老後資金対策による制度のため、このように途中下車ができないようになっています。ですから始める場合は掛金に関しては、できるだけ無理のない範囲での掛金をおすすめします。もし60歳まで続ける自信がない方は、NISAをおすすめします。
運用は自己責任
iDeCoで毎月、積み立てたとしても必ずしも利益がでるとは限りません。場合によっては減ることもあります。投資にはリスクはあります。
掛金に上限がある
iDeCoは掛けた金額に対して所得税や住民税を減らすことができるメリットがありますが、上限があります。
月額最低は5000円からで、個人によって異なりますが上限は12,000円~68,000円となっています。
職業 | 拠出限度額 | |
自営業者 フリーランスなど | 月/68,000円(年81.6万) | |
専業主婦など | 月/23,000円(年27.6万) | |
会社員 | 勤務先に企業年金が無い | |
勤務先に企業年金が無い、かつ企業型確定拠出年金に加入している | 月/20,000円(年24万) | |
勤務先に企業年金がある | 月/12,000円(年14.4万) | |
公務員 |
とはいえiDeCoは60歳まで引き出せませんので、掛金については毎月の負担にならないようにしましょう。今の生活を維持できるよう家計を圧迫しないぐらいがおすすめです。
どうしてもという方はiDeCoで最低限の掛金とは別にNISAを始めましょう
こんな方はiDeCoをおすすめ
iDeCoの全体像を理解できたとして、実際にiDeCoに向いている人はこんな人だと思います。
- 生活防衛資金を確保できてる人
- 一定の収入がある人
- 20代30代よりも40代以降がおすすめ
生活防衛資金を確保できてる人
iDeCoは60歳まで引き出せません。つまり自身や家族に万が一の事態が起こった時に積み立てた金額を使うことができないためです。iDeCoを始める前に生活防衛資金(3ヶ月~6か月分の生活資金)は貯めることをおすすめします。またはiDeCoの金額を最小限にして、iDeCoと生活防衛資金を並行していくといいでしょう。
一定の収入がある人
iDeCoのメリットである節税効果は、あくまでも一定の収入があってはじめて節税効果ができるもの。無職の方、専業主婦の方は収入が低いためメリットが最大限受けれない可能性がありますので注意しましょう。
20代30代よりも40代以降がおすすめ
iDeCoは20歳から始めることができる制度ですが、おすすめは40代以降がおすすめかもしれません。理由は40代になるとある程度収入が安定してくる傾向があります。iDeCoは原則60歳まで引き出せないことを考えると、資金に余裕がある状態で始めるのが最適です。
ですから、収入も安定しているなら所得控除の節税効果も最大限に生かせると思いますし、余剰資金が持てるであろう40代以降の方を特におすすめします。
iDeCoの始め方
iDeCoを始めるには最初に金融機関を選んで、iDeCo専用口座を開設する必要があります。
その金融機関で取り扱っている金融商品を選び、掛金を積み立てていくだけです。
基本的には金融機関選びのポイントは取り扱い金融商品の数と手数料の安いネット証券をおすすめします。
中でも、
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
などが取り扱い金融商品が豊富で手数料も抑えた人気金融機関でしょう。
まとめ
iDeCoとは
- 資産運用の運用益が非課税になります(資産運用)
- 掛金が所得税や住民税の控除の対象になります(節税効果)
- 原則60歳まで引き出せない(老後資金対策目的がおすすめ)
最近では、NISA改正の話題もあり、iDeCoよりNISAが優先されるような傾向がありますが、実際はiDeCoの方が、向いている人も多いと思います。
特に会社員で老後資金目的で積み立て投資という目的なら、NISAよりもiDeCoの方がメリットが大きくなります。
このように自身にあわせた投資スタイルで無理のない範囲で積み立てていきましょう。
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